脂肪を体につけない食事のポイント

ダイエット

齢を重ねるたびに体型が気になりますよね。

それは、体に「脂肪」がつきやすくなるためです。

もちろん、体脂肪は運動によって燃焼しますが、運動を継続する必要があります。

しかし、家事や育児、お仕事等で運動する時間がとれないという人も多いのではないでしょうか。

脂肪を蓄積しないためには毎日の食事から体内に入る脂肪を抑える必要があります。

食事は毎日かかせないものだから、体に脂肪を貯めないための食生活を送りたいですよね。

そこで、この記事では、管理栄養士として体重管理、献立作成を担い、サプリメントアドバイザーである筆者が、体に脂肪を貯めない食事のポイントについてまとめました。

この記事でわかること
  • 脂肪がつきやすい体質とは
  • 脂肪がつきやすい食生活
  • 脂肪を体に貯めない食事のポイント

そもそも脂肪とは?「脂肪」「油」「脂」「脂質」の違い

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「脂肪」といえば、お腹周りや二の腕、おしり、太ももなどについているお肉をイメージするひとも多いのではないでしょうか。

そうです、あのたるんだお肉の正体は中性脂肪です。

よくお料理で使われるサラダ油やごま油、オリーブ油などの常温で液体のものを「油」といいます。

そして、ラードや牛脂など常温で個体のものを「脂」といいます。

食品業界では「油」と「脂」を「油脂」と呼びます。

「脂肪」や「油」「脂」を含むものを栄養学上では「脂質」といいます。

中性脂肪や油脂は「脂肪酸」からつくられますが、この「脂肪酸」も脂質に含まれます。その他の脂質として、コレステロールや脂溶性ビタミンであるビタミンA、B、C、Dなどがあります。

体にはどのくらいの脂肪があるの?

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脂肪は蓄積される部位によって、「内臓脂肪」と「皮下脂肪」に分けられます。

脂肪全体の約2割が内蔵脂肪、8割が皮下脂肪だといわれています。

内蔵脂肪はおへそ周りがへりだしたリンゴ型体型の肥満で、内蔵に脂肪が蓄積されます。

一方、皮下脂肪は太ももやおしり、二の腕などの筋肉と皮膚の間に脂肪が蓄積される洋ナシ型の肥満です。

生活習慣病と深く関わっているのは内蔵脂肪です。

内蔵脂肪は皮下脂肪に比べて、分解しやすい性質をもっています。

内蔵脂肪が過剰に蓄積していると、空腹時にはエネルギーを得るために分解された脂肪が大量に肝臓に流入します。肝臓に脂肪が蓄積すると、「脂肪肝」を生じさせるため、内蔵脂肪は病気との関連が強いと考えられています。

逆に皮下脂肪はじわじわと蓄積されて、落ちにくい特徴があります。

体を占める割合も高いため、体型を維持する腕も必要以上に貯めたくないですよね。

脂肪には大きく2つの役割がある〜脂肪がつきやすい体質はどっち?

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脂肪の種類についてみてきましたが、脂肪にはどんな役割があるのでしょうか。

脂肪には「エネルギーを貯める」「エネルギーを使う」の2つの役割があります。

エネルギーを貯めるための脂肪

エネルギーを貯める役割をもつ脂肪を「白色脂肪細胞」といいます。

中性脂肪の割合が高いのが特徴で、特に肥満者に多いと考えられています。

脂肪の蓄積はさらに白色脂肪細胞を増やして、脂肪がつきやすい、つまり肥満体質になります。

エネルギーを使うための脂肪

逆に、エネルギーを使う役割をもつ脂肪を「褐色脂肪細胞」といいます。

エネルギーをつくるミトコンドリアが多く存在し、脂肪を分解する役割をもちます。

また、白色脂肪細胞から現れた「ベージュ脂肪細胞」もエネルギーを使う役割をもつ脂肪細胞の一つといわれています。

皮下脂肪に存在するベージュ脂肪細胞が寒冷刺激にさらされると、熱をつくるためエネルギーを消費するようです。

寒い季節の方が脂肪細胞によって熱をつくることで、エネルギーが消費しやすいということですね。

白色脂肪細胞が多いほど体脂肪量が多く、褐色脂肪細胞が多いほど体脂肪量が低いとされています。

褐色脂肪細胞を活性させて、エネルギー消費量を増やすことが肥満予防につながるということですね。

脂肪がつきやすくなる3つの理由

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良いイメージのない脂肪ですが、なぜ体についてしまうのでしょう。

体に脂肪がつきやすくなる理由は3つあります。

脂肪がつきやすくなる理由
  • 糖質の摂りすぎ
  • カロリーの摂りすぎ
  • 運動不足

一つひとつみていきましょう。

糖質の摂りすぎ

糖質とはご飯やパンなどの炭水化物やお菓子や清涼飲料水に含まれる糖類(砂糖、ブドウ糖など)です。

糖質は脂肪と同じエネルギー源となり、肝臓や筋肉に蓄えられます。

貯蔵できる糖質量には限りがありますので、余った糖質は脂肪にしてしまうのです。

食事によって血糖値が上がると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌して、脂肪の蓄積が促進します。

運動をしても、糖分の摂りすぎによってインスリンが高い状態だと、先ず糖をエネルギーとして使うため、脂肪は消費しません。

アスリートしてパフォーマンスを高める場合は別として、体脂肪量を減らすのであれば、糖質は基準量もしくは控えめが良いでしょう。

主食に偏った食事や糖分の多い食品を控えることは脂肪をつけないための秘訣です。

カロリーの摂りすぎ

運動によってカロリーが消費されますが、消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多くなることが問題です。

余分なカロリーは脂肪として蓄積されるからです。

カロリーの摂りすぎとなる食事要因は食べ過ぎることです。

糖質や脂質、アルコール、甘いものなどカロリーの高い食べ物によって脂肪がつきやすくなります。

運動不足

蓄えられた脂肪はエネルギーとして消費しなければ蓄積していくばかりです。

筆者も以前、1時間程度のランニングを週に2〜3日実施していました。

そのころの体脂肪率は20%を下回ることもありましたが、ランニングをやめてからは2〜3%上昇しています。

同じ食事量でも運動によってエネルギーを消費していれば、体脂肪率や体脂肪量はほとんど運動しない人よりは増えないでしょう。

エネルギーが消費されやすい体にするためには、運動をして筋肉を維持するための食生活も大切ですよ。

次に脂肪を体に貯めない食事についてみていきましょう。

脂肪を体に貯めない食事のポイント

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食事をバランスよく食べて、体についた脂肪を運動で消費することが理想です。

しかし、運動を継続しなければ、体脂肪量は消費されずに余分なカロリーは脂肪として蓄積されるばかりです。

そのため、体に入ってくる脂肪を抑えることが重要になってきます。

体脂肪量が維持できるよう、普段の食生活においてのポイントをまとめました。

ポイント1.カロリーを摂りすぎない

昔から健康の秘訣は「腹八分目」といわれています。

食べ過ぎを防ぐ方法
  • 食事以外の時間にダラダラ食べない
  • 食事はゆっくり噛んで食べる
  • 糖質や油脂の多いものを食べすぎない

カロリーが多いものはおいしい食べ物ばかりなのでついつい食べすぎてしまいますよね。

カロリーが多いものと少ないものを組み合わせるようにしましょう。

また、カロリーは少なすぎても脂肪がつきやすくなります。

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ポイント2.脂質を控える

脂質の多い食べ物は少量でも高カロリーですので、食べすぎてしまうと、脂肪として蓄積されます。

まずは脂質の多い食べ物を知ることが大切です。

油脂が多い食べ物
  • 油:マヨネーズやドレッシング、バター、マーガリン、揚げ物など
  • 肉類:豚・牛バラ肉や脂身、ベーコンなど
  • 魚介類:青魚、うなぎなど
  • 乳:生クリーム、チーズなど

ポイント3.たんぱく質は多すぎても少なすぎてもいけない

カロリー消費が少ないと脂肪がつきやすくなることはお話しましたね。

カロリーを消費するには運動はもちろんですが、「基礎代謝量」を高めることも重要です。

基礎代謝量とは安静状態におけるエネルギー消費量のことをいいます。

基礎代謝は筋肉や心臓、肝臓などの各臓器が常に活動するため、生命を維持するのに必要なエネルギーです。

基礎代謝量は加齢にともない低くなりますが、これは筋肉の減少が関係します。

たんぱく質が不足しますと、必須アミノ酸を体内に取り込むことができないため、筋肉が減少します。

筋肉が減少すると、代謝が下がり、ますますカロリー消費しにくい体になります。

カロリー消費の高い筋肉を維持するためにもいかにたんぱく質が必要であるかがわかりますね。

では、たんぱく質は多ければ多いほど良いのでしょうか。

たんぱく質はたくさん摂っても筋肉の合成には限界があるようです。

たんぱく質を含むお肉やお魚、卵などには同時にカロリーと脂質を含むものが多いです。

余分なカロリーや脂質を摂らないよう、たんぱく質の摂りすぎないことが大切です。

アスリートなど運動量が多いほど、たんぱく質必要量が高くなりますが、一般的には体重1kg当たり1.0gが目安です。

ポイント4.食物繊維を摂る

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野菜や果物、穀類などに多く含まれる食物繊維は肥満防止との関連が深いとされています。

食物繊維が肥満防止に良いとされる理由をあげました。

食物繊維のはたらき

脂肪の蓄積を予防が期待できる食物繊維のはたらきを5つあげました。

食物繊維のはたらき
  • 血糖の上昇を抑える
  • 脂肪の吸収を抑える
  • 空腹感が満たされる
  • 噛むことを促す
  • 排便を促して便秘予防

空腹感が満たされると、摂取カロリーが抑えられ、結果的に脂肪がつきにくくなります。

また、食物繊維の多い食品は噛みこたえがあるため、噛むのに時間がかかります。

噛むことで褐色脂肪細胞を活性させ、エネルギ消費量が高まりますので、肥満予防にもなりますね。

このように食物繊維は肥満予防や健康維持にとって重要な役割があるといえそうです。

食物繊維の目標量

では、食物繊維はどのくらい摂れば良いでしょう。

食物繊維は日本人の食事摂取基準2020によると、成人女性で1日18g以上とされています。

しかし、日本人の食物繊維の摂取量は15g前後となっています。

食物繊維の摂取量が不足している背景として、食物繊維を多く含む野菜類摂取量が関係しているといわれています。

「健康日本21」では1日350gを目標に掲げています。

しかし、国民健康・栄養調査によると、野菜類の1日当たりの摂取量が300g未満ですので、いかに食物繊維の摂取量を満たすことが難しいかが伺えますね。

食物繊維の摂取量を増やすには野菜類の他に、穀類を取り入れるのも良いでしょう。

例えば、白米の一部を押し麦や五穀米に置き換えると食物繊維量が増えますよ。

野菜はスープにすると摂りやすい?

生の野菜はかさが多くなりますが、スープに入れたり、蒸したりすることでかさが減り、より多く食べやすくなりますよ。

まとめ

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比較的女性に多いといわれている皮下脂肪はじわじわと体に蓄積され、減りにくい特徴をもっています。

一度ついた脂肪はなかな落ちません。

脂肪をこれ以上つけないためにも食生活を見直して、脂肪の蓄積を抑えることが大切です。

脂肪がつきにくくする食事のポイントは、

  1. カロリーを摂りすぎない
  2. 脂質を控える
  3. たんぱく質は多すぎても過ぎなすぎてもいけない
  4. 食物繊維を摂る

肥満予防は健康維持のためにも、脂肪をつけないための食生活を一つでも多く実践してみてくださいね。

参照:「スポーツ栄養学」(著 寺田 新 )

一児の母。栄養士として、病院や保育園勤務を得て、現在は高齢者の栄養管理に携わっております。当サイトでは、女性と子供の健康をテーマに「食にまつわる話」を発信しております。
【保有資格】管理栄養士、NRサプリメントアドバイザー、フードスペシャリスト、嚥下リハビリテーション学会認定士。
 

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