子どもにとって「おやつ」は楽しみの一つではないでしょうか。
特に甘いケーキやアイスクリーム、チョコレートにスナック菓子などは好きな子も多いでしょう。
しかし、おやつの食べ過ぎは、エネルギーの過剰となり、肥満を招くことに。
肥満は、高血圧や耐糖能異常などさまざまな健康障害に影響があることが知られています。
また、不適切なおやつの摂り方は栄養バランスも悪くなり、成長にも影響するでしょう。
しかし、だからといっておやつをガマンするのは辛いですよね。
3回の食事で必要栄養量が不足する場合は間食(おやつ)で補うことも必要です。
そこで、管理栄養士で、元保育園栄養士の筆者が子どもの肥満改善と予防におすすめのおやつを紹介します。
肥満ぎみの子どもは食事制限をするの?
子どもは肥満傾向でも、成長期であることを考慮して、強いエネルギー制限は行いません。
成人と違い、身長の増加があるため、体重を維持することにより肥満度を改善することができます。
肥満解消と予防のために5つの食事ポイントがあります。
- 単糖、二糖類を摂りすぎない。
- 朝食を欠食しない。
- 夜食を避ける。
- 主食(パン、麺類など)だけの食事を避ける。
- 脂っこいものを食べすぎない。
肥満解消・予防には、主食、主菜、副菜を基本とし、栄養バランスのよい食事が大切です。
毎日の食事を見直してみましょう。
わたしたちは、「食事」で一日に必要なエネルギーや栄養素を得るために多くの食品を摂取します。
食品は大きくは3つのグループに分けられます。
エネルギーになる・・・穀類、芋類、油脂類、など
体をつくる・・・・・・豆類、卵類、魚介類、肉類、乳類など
体の調子を整える・・・野菜類、果物類、きのこ類、藻類など
一日ですべての食品を摂ることは難しいかもしれませんが、なるべく色々な食品を食べることによってより栄養を満たすことができます。
例えば、食品目を増やす方法として、次の方法があります。
- 具たくさん汁にする
- 主菜にサラダや和え物などを追加する
- 主菜に野菜を添える
- 肉野菜炒め(煮物)
食べる食品が少ないと、栄養も偏ってしまうということですね。
おやつはどのくらい食べたら良いの?
おやつは菓子類やアイスクリームや甘いものを想定する人も少なくないでしょう。
低年齢ほど1回で食べられる量は限られるため、おやつを『食事の一部』と考えます。
また、塾やクラブ活動など、放課後から夕食までの時間が空く場合にもおやつ(間食)が欲しくなりますよね。
おやつの内容は「水分と栄養補給ができるもの」、「消化・吸収の良いもの」、「薄味のもの」とします。
おやつは「食事の一部」ということですが、どういうことですか。
おやつは間食ととして、一日のエネルギー必要量に含まれます。
例えば、一日のエネルギー必要量が1600kcalなら、200kcalを間食した場合、1400kcalを食事で摂ることになります。
食事で不足するエネルギーや栄養素はおやつで補います。
おやつの量は体格や活動量によって調節してくださいね。
おやつのカロリーが高すぎて、食事が食べれなくなったら栄養が偏ってしまいますね。
小学生の一日のエネルギー必要量は、「日本人の食事摂取基準(2020年版」に、年齢や性別、身体活動レベルごとに示されています。
男性 | 女性 | ||||||
年齢(歳) | 身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
6〜7 | 1350 | 1550 | 1750 | 1250 | 1450 | 1650 | |
8〜9 | 1600 | 1850 | 2100 | 1500 | 1700 | 1900 | |
10〜11 | 1950 | 2250 | 2500 | 1850 | 2100 | 2350 | |
12〜14 | 2300 | 2600 | 2900 | 2150 | 2400 | 2700 |
エネルギー量は参照体重を用いて算出していますので、体格によっては当てはまらない場合もあります。
毎日の食事のエネルギーが多いか少ないかどうかは、定期的に体重を測定して「肥満度」をチェックしてみましょう。
子どものダイエットにおすすめのおやつ【具体例】
おやつは「食事の一部」であることは解りましたが、実際にどんなものを与えたら良いですか。
おやつにおかずを1品作るのはちょっと難しいかも・・・。
卵や乳製品、果物、いも類、穀類などを組み合わせます。
具体例をいくつかあげましょう。
ごはんとじゃこのせんべい
材料(1人分) | 約65kcal |
ごはん | 50g |
ちりめんじゃこ | 3g |
ごま | 少々 |
しょうゆ | 少々 |
噛みごたえのあるジャコは咀嚼を促し、満腹中枢を刺激して肥満の予防が期待できます。
干し芋
不足しがちな食物繊維が摂れ、自然の甘み。
噛みごたえもあり、満足できるおやつです。
1回で食べる目安量は80〜100kcalとする場合、干し芋なら20〜30gです。
穀類やイモ類はエネルギー源となります。
肥満ぎみの場合はエネルギーが過剰にならないよう量に気をつけましょう。
果物
厚生労働省が推進する「健康日本21」では、健康増進の観点から『1日200以上の果物を食べること』を目標にしています。
果物は甘いですが、カロリーが高いわけではありません。
砂糖やご飯、パン、ジャガイモよりも血糖値が上がりにくい食品なのです。
脂肪がほとんど含まれないので、むしろダイエットにも良いといえます。
ビタミンやミネラル、食物繊維の供給源にもなりますので積極的に取り入れたいですね。
しかし、食べ過ぎはエネルギーの過剰となり脂肪が蓄積し、肥満の原因となりますので摂取量を守りましょう。
乳類を使ったおやつ
フルーツシェイク
材料(一人分) | 約110kcal |
牛乳 | 100cc |
いちご、バナナ (お好みのフルーツ) | 50g |
フルーツヨーグルト
材料(一人分) | 約84kcal |
無糖ヨーグルト | 80g |
いちご・キウイ (お好みのフルーツ) | 50g |
フルーツの甘みでお砂糖なしでもおいしく食べられます。
プロセスチーズ
プロセスチーズはカルシウムも補給できます。
20gで約70kcalです。
野菜を使ったおやつ
野菜類は低カロリーなものが多く、食物繊維やビタミン、ミネラルなどを含みます。
★枝豆(50g約80kcal)
枝豆は不足しがちな食物繊維が摂れ、子供の成長に必要なタンパク質も含みます。
冷凍食品なら、味付されているので、解凍してすぐに食べることができます。
きゅうりやセロリ、アスパラなど季節のスティック野菜にするのも良いですね。
豆腐を使ったおやつ
★豆腐のストロベリーレアチーズケーキ
詳しいレシピはこちら↓
市販品おすすめ低カロリーおやつ
★アーモンドフィッシュ1袋(8g)39kcal
しょうゆ味で旨味のある小魚と香ばしいアーモンドがよく合います。
噛めば噛むほど旨味と香ばしさがひろがり、1袋で満足できるおやつです。
★低カロリースナック菓子
- おっとっと(森永製菓)・・・・・・・・・・1袋(10g)44Kcal
- 小魚とアーモンドせんべい(岩塚製菓)・・・1個包装34kcal
市販品はお出かけのときに携帯できて便利ですね。
市販品は甘いものや油脂が多いものはカロリーも高めです。
また、塩分の多いものも避けましょう。
糖尿病や肥満症など生活習慣病の観点から子供の頃にうす味に慣れていくことが大切です。
まとめ〜望ましいおやつの食べ方〜
おやつはエネルギー・栄養補給だけではなく、子どもにとって楽しみでもあり、精神的な役割もあると言えます。
だからといって好きなものを好きなだけ食べてしまうと肥満と原因となります。
望ましいおやつの食べ方について、4つのポイントをあげました。
- おやつは「食事の一部」とする
- 卵や乳製品、果物、いも類、穀類などを組み合わせる
- 糖分(砂糖や果汁、清涼飲料など)を摂りすぎない
- だらだら食べない
すこやかな子どもの成長のためにもおいしく栄養補給してほしいですね。
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