子どもが野菜を食べない、おいしく食べて野菜嫌いを克服する方法とは

幼児期
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「子どもが野菜を食べない」と悩む保護者も多いのではないでしょうか。

2歳ごろになると自己主張が強くなり、好き嫌いが多くなると言われています。

さまざまな味を経験することで味覚は発達します。

偏った食生活ではその味に慣れ親しんでしまうでしょう。

子どもの健やかな成長のためにもおいしく野菜嫌いを克服して、楽しい食生活を営みたいですよね。

そして、筆者が記録した我が子の離乳食の日誌から野菜嫌いを克服するヒントを見つけました。

それは、離乳食に使用した食材の品数です。

この記事では、筆者が保育園で栄養士として勤務した経験から、子どもの野菜が嫌いな理由とおいしく食べて野菜嫌いを克服する4つの方法についてまとめました。

子どもはなぜ野菜が嫌いなの?

子どもはなぜ野菜が嫌いなの?

食べ物の好き嫌いが出てくるのは発達段階にある幼少期において食体験も少なく、食べ慣れないものを「嫌い」と認識してしまうからと言われています。

幼少期の食生活と現在の食生活を比較したある保育学科の女子短大生へのアンケート結果によると食べ物のある3つの要素が原因でした。

野菜が嫌いな理由第1位は「味」

子どもが野菜を嫌いな理由の第1位は「味」でした。

人は食品のおいしさを味覚や視覚(色)、嗅覚(におい)、触覚(食感、温度)、聴覚(噛む音)といった五感によって感じています。

五感のなかで食べ物の「味」を認識する感覚を「味覚」といいます。

では、子どもはどんな「味」が嫌いなのでしょう。

子どもが嫌いな2つの「味」とは?

子どもは生まれて間もない頃から、甘み、塩味、酸味、苦味、うま味の基本5味を感じることができます。

嫌いな野菜の代表としてゴーヤやピーマンがありまますが、これらの野菜には「苦味」「酸味」が存在します。

「酸味」には腐敗や未熟な果物など、「苦味」には毒などの有害物質などがあります。

「酸味」や「苦味」はわずかな量でも感知できる物が多く、生命に危険な「酸味」や「苦味」は本能的に嫌う傾向にあるようです。

嫌いな理由第2位は「食感」

「食感」には舌触りや歯ごたえ、喉こしなどの感覚があります。

例えば、子どもが嫌い野菜の1つでもあるトマトは口の中に残る皮の舌触りが苦手だったり、レタスなどペラペラした薄いものは喉こしが悪かったりします。

また、噛む力が弱い乳幼児では葉物野菜の茎やアスパラガスなど硬すぎるものは苦手とする場合が多いでしょう。

嫌いな理由第3位は「におい」

においが嫌いな食べ物といえば納豆を思い出す人も多いでしょう。

野菜においても、セロリーやニラなどはにおいが嫌いという子供も多いのではないでしょうか。

離乳期の食体験が野菜嫌いに影響する?

離乳期の食体験が野菜嫌いに影響する?

離乳食作りで多くのママの悩みは「レシピがマンネリになってしまう」、「野菜が嫌い」、「手間をかけて作っても食べてくれない」などがあげられているようです。

離乳食がマンネリになるのは野菜が上手につかえないからとか。

メニューがマンネリすることによって、体験できる野菜の種類も限られてしまうでしょう。

筆者が我が子の離乳食を記録したの日誌によると多くの野菜を使用していました。

かぼちゃ、人参、ナス、トマト、ほうれん草、小松菜、チンゲンサイ、春菊、白菜、たまねぎ、オクラ、ニラ、ブロッコリー、大根、カブ、ズッキーニ、いんげん、パプリカ、ピーマン、冬瓜、キャベツ、コーン、枝豆、しいたけ・・・

初めて体験する野菜は口から出してしまうこともありましたが、慣れてくると食べてくれました。

小学生になった今ではほとんどの野菜は食べてくれます。さすがにゴーヤは苦手ですが。

いろいろな野菜の味や食感などを乳幼児期に体験し、「知っている味」を増やすことによって食べられるようになるのではないでしょうか。

参照:野菜嫌いがなくなる!超カンタン!離乳食(主婦の友社)

親の嗜好は子どもに影響する?

親の嗜好は子どもに影響する?

家庭において、主に調理を担当する者の嗜好と子どもの嗜好が似たものになりがちといわれています。

「東北地方の住民は塩辛いものが好き」ということが良く知られていますが、それは、子どものころから慣れ親しんでいるためだといいます。

以前、私が栄養士として勤務していた園でも、甘いおやつはよく食べるけど、給食はあまりすすまないという場面がみられました。

加工食品や甘い菓子類など濃い味付けのものを毎日のように食べている家庭で育った子どもは、薄い味付けのものは物足りなく感じるようになるでしょう。

野菜を食べないとどうなるの?

野菜を食べないとどうなるの?

野菜を良く食べる子どもには虫歯が少ないという研究報告があります。

野菜には食物繊維が多いので、たくさん噛むことによって唾液が分泌されます。

噛むことによって口の中の水分量が増し、虫歯の原因とされる糖分を薄めてくれるのです。

管理栄養士直伝、野菜嫌いをおいしく克服する方法

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方法1.いろいろな野菜を体験しよう

幼少期に食べられない野菜でも大人になると食べられるようになるということを多くの人が経験しているでしょう。
その理由は、「味覚の変化」だけではなく、いつくもの食体験を積み重ねてきたからです。
何度も食べているうちに食べ物の味に慣れてくるものです。
初めての野菜でも、過去に食べたことのある野菜と味や食感などが似ていると食べられることもあるでしょう。
味覚が未発達な乳幼児期にとって多くの食材の味や食感に慣れることが大切です。

方法2.調理法を工夫しよう

嫌いな野菜でも調理法を工夫すると食べられたという話をよく耳にします。多くのママが体験していることでしょう。

では、どんな工夫をしたらよいでしょうか。

嫌いな野菜はさりげなく混ぜる

当然ですが野菜の形が残っていると食べてくれません。

そんなときはやはり、子どもの好きな味のある他の食材と組み合わせることです。

例えば、子どもが大好きなハンバーグ、コロッケ、サラダ、スープ、などです。

子どもは甘みうま味は本能的に好きな味といわれています。

  • 甘味:米やさつまいも、かぼちゃなどの炭水化物、砂糖など
  • うま味:油脂(揚げ物やバターなど)、アミノ酸(だし汁、かつお節、肉、魚、乳など)

甘味やうま味のある食材と組み合わせることによって食べられるようになることもあります。

お子さんの好きな食材と組み合わせると良いでしょう。

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子どもの発達に合わせて食べやすく

乳幼児期は食べ物を噛んだり、すりつぶしたり、お口の中で食べ物を上手くまとめることができません。

レタスやうすいキュウリなどの薄い物や、硬すぎる物は食べることが難しいでしょう。

さっと茹でてしんなりさせたり、根菜はやわらかくなるまで加熱したりすると食べやすくなります。

★セロリーの克服ステップ

  1. においのきついセロリー(スライス)は炒め煮がおすすめです。くたくたになるまで加熱しましょう。
  2. 煮たセロリーが食べられるようになったら、スティック野菜に。

セロリーの皮は繊維が強く舌触りが悪くなります。なるべく取り除きましょう。

方法3.おやつに野菜を取り入れる

子どもは甘いものが大好きです。

楽しいおやつの時間であれば食べてくれることもあるでしょう。

例えば、ホットケーキに小松菜やほうれん草などの青菜や人参を刻んで混ぜたり、お好み焼きにいろいろな野菜を入れたりするのも良いでしょう。

方法4.初めての野菜は少量でOK

いくら、調理方法を工夫したとしても、いきなり大量は食べられないでしょう。

初めての野菜は少量食べればOKです。徐々に増やしていくと食べられるようになります。

★ピーマンの肉詰め克服ステップ

  1. ピーマンはしんなりするまで蒸し焼きにする。
  2. ピーマンとお肉を分ける。
  3. ピーマンはたて4等分にして、よこ向きに細く千切りにする。
  4. 少量だけお肉に添えてソース(トマトケチャップなど)をかける。
  5. 食べられたら徐々に増やしていく。

食べられたらほめてあげると自信にもつながりますよ。

どうしても野菜が食べられないときはどうする?

どうしても野菜が食べられないときはどうする?

野菜を茹でたスープから試してみよう

どうしても固形の野菜が苦手な子は野菜はキャベツやタマネギ、白菜、人参、カブなどの野菜を茹でたスープが良いでしょう。

淡泊な物の方がアクも少なくて飲みやすいです。

離乳期初期でもよく使いますね。

スープでも野菜の風味を感じることができますので、徐々に慣らしていくことで野菜も食べられるようになることを期待したいですね。

水分に溶け込んだビタミンやミネラルも一緒に摂れますよ。

市販品おやつを利用しましょう

食事はすすまなくても、おやつならパクパク食べることもあるのではないでしょうか。

店頭には野菜を使った子ども用のおやつがたくさん並んでいますよ。

野菜チップスや野菜入りビスケット、パンなど。

ときには野菜入りの市販のおやつを利用してみるのも野菜を食べるきっかけになるかもしれませんね。

まとめ

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子どもが野菜を嫌いな理由は「味」や「食感」、「におい」です。

「味」では「苦味」や「酸味」が苦手で、「食感」では硬すぎるものや食べ慣れていない不快な舌触りの物は嫌がる場合が多いです。

野菜嫌いを克服するには、「嫌い」な要素をなくすために調理の工夫をすることと、さまざま味を経験して慣れることが大切です。

おいしく食べて野菜嫌いを克服する4つの方法は、

  1. いろいろな野菜を体験
  2. 調理法を工夫
  3. 野菜をおやつに取り入れる
  4. 嫌いな野菜は少量から徐々に増やしていく

野菜は子どもの健やかな成長のために大切な成分が多く含まれています。

一口からでも良いのです。

美味しく食べて野菜嫌いを克服し、「好きな野菜」が増えるとうれしいですね。

参考

幼児期の好き嫌いと食嗜好の関連|秋草学園短期大学 紀要 34 号(2017年) |橋 本 洋 子

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