【子供の脳の発達と朝食】朝食に良いのはご飯とパン、どっち?

食育

毎日、学校で学習したり、体を動かしたりするために朝食は欠かせません。

文部科学省で実施された平成29年度全国学力全国学力・学習状況調査では「毎日朝食をとる児童生徒ほど、学力調査の得点が高い傾向」という結果でした。

特に脳のエネルギー源となる糖分はご飯やパンに多く含まれています。

では、ご飯とパンはどちらが子供の脳の発達に良いのでしょうか。

子供の脳の発達に影響する食事要素から徹底比較してみました。

子供の脳の発達に影響する2つの食事要素

脳トレで有名な川島隆太氏によりますと、子供の脳の発達に良い朝食はご飯やパンのみの食事ではなく、栄養的にバランス良く食べることが必要とのこと。

子供の脳の発達に影響する食事要素は、

  • Gl値(グリセミック・インデックス)
  • おかずの品数

この2つの食事要素がどのように脳に影響するのでしょう。

脳の発達とGI値(グリセミック・インデックス)

GI値とは食後の血糖値の上がり方を示す指数で、GI値が低いほど食後の血糖値がおだやかに上昇します。

GI値が高いと、血糖値が急激に上昇します。

すると、血糖を下げるホルモンであるインスリンが多量に分泌され、血糖値が急降下します。

そして、血糖値が異常に低い「低血糖」状態になります。つまり、脳に必要なエネルギーが不足してしまうのです。

低血糖になると集中力が低下するといわれています。これが、学力を低下させる原因ではないかと考えられています。

脳の発達とおかずの品数

川島 隆太氏は、「朝食のおかずの数が多ければ多いほど、すべての脳の機能が高く、少なければ少ないほどすべての脳の機能が低い」と言います。

ごはんとふりかけのみ、パンと飲み物のみといった主食に偏った食事は食後の血糖値を急激に上昇させるのです。

また、ご飯やパンのみの食事では、エネルギーやたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどさまざまな栄養素が不足することで体調不良を起こしたり、子供の成長にも影響したりするでしょう。

学校生活を営む子供にとって、朝食はパワーの源。

集中して学習に取り組めるよう、朝食に1つでも多くおかずを取り入れたいですね。

ご飯とパンのGI値はどちらが高い?

では、ご飯とパンではどちらの方がGI値が高いのでしょうか。

ご飯(白米)は88ですが、食パン(白パン)は95。パンのGI値は、ごはんより高いですね。

パンにジャムをぬりますと、GI値はさらに高くなります。

ご飯とパン、おかずの品数が多いのはどっち?

パンの種類は、食パンやロールパン、クロワッサン、菓子パン、惣菜パンなど豊富にあります。

手軽に食べられることで、朝食にパンを食べる人は多いでしょう。

また、パン食の場合、その手軽さからトーストにマーガリンやジャムで完結することもあるでしょう。

ご飯には汁と菜という一汁三菜は古くから和食の基本型であります。

ご飯食の方がおかずの品数が多いのも納得できますね。

パンはダメなの?

脳の発達に影響を及ぼすと言われるGI値やおかずの品数についてはご飯の方が軍配が上がりました。

しかし、手軽に食べられる故に朝食はパン派という人は多いのではないでしょうか。実際、総務省で実施された家計調査(2014)ではパンの1世帯当たりの食料消費支出の品目別の対前年実質増加率が上昇しているのです。

管理栄養士である筆者の私も、実は週末はパン食にすることが多いです。

脳の発達に良いパン食の4つのポイント

「パンはダメ」ではなく、パン食でも脳の発達に良い食べ方の工夫をすると良いのではないでしょうか。

我が家でも実践しているパン食のポイントをまとめました。

ポイント1.GI値の低いパンを選ぼう

食パンは白米よりGI値が高めですが、ライ麦パンや全粒粉パンは白米よりGI値が低めです。

特にジャムを使用する場合は、GI値の低いパンにしてみるのも良いですね。

ポイント2.たんぱく質のおかずを取り入れよう

卵や大豆、魚、肉などのたんぱく質を含むおかずがある食事は、パンのみの食事よりも血糖値の上昇がおだやかになるのです。

ツナや枝豆、野菜をトッピングしてピザトーストにしたり、スクランブルエッグやハムなどを乗せたりして食べることはおすすめです。

パンにおかずが乗っていると、ジャムを使わなくて良いので、糖分の節約にもなります。

さらに血糖値の急激な上昇を抑えられて、ママのダイエット効果にも期待出来そう。

ポイント3.食物繊維のおかずを取り入れよう

野菜やきのこなどに含まれる食物繊維は小腸でも糖質の吸収速度を遅らせて、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があります。

スープやソテーに入れたり、パンのトッピングにしたりするのも良いですね。

ポイント4.食べる順番について

食物繊維のおかずを先に食べることによって血糖値の急激な上昇を防ぎます。

まず食物繊維のおかず(味噌汁、お浸し、サラダ)を食べてから、卵や肉、魚などのおかずを食べます。

そして最後に炭水化物であるごはんやパンを食べると血糖値の急激な上昇が抑えられます。

まとめ

ご飯であれ、パンであれ、どちらも脳の発達に良い食事作りを意識することが大切ですね。

子供は未来を担います。

ぜひ、脳の発達に良いことを一つでも多く実践してみましょう。

(参考)

大阪ガスの食育|第5回食育セミナー|川島 隆太(2011)『脳を育む食育』

『脳は朝ご飯で決まる』(著 川島 隆太他2名)

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