ダイエットに興味がある人なら、「置き換えダイエット」という言葉をよく聞く人もいるのではないでしょうか。
置き換えダイエットとは、1日の食事で1〜2食を低カロリーの食品に置き換えることで、摂取カロリーを制限する食事方法のことをいいます。
ドリンク系や食事系、スープ系など種類はさまざまです。
置き換えダイエットは、必要カロリーに対して、摂取カロリーが少ないことによる、体重減少を目的とし、短期間においては効果も期待できるでしょう。
しかし、誤った置き換えダイエットは、返ってリバウンドのを招きとなり肥満の原因となります。
食生活は本来、主食、主菜、副菜を基本にバランスのとれた食事を摂ることで、健康維持を可能とします。
とはいっても、子育て中のママや、忙しくて時間がない人にとっては、3食バランスの良い食事を摂ることは困難な場合もあるでしょう。
食生活が乱れがちな人でもリバウンドを防いで、手軽に理想な食事に近づけられると嬉しいですよね。
そこで、管理栄養士、サプリメントアドバイザーとして、普段は高齢者の栄養管理を担っている筆者と一緒にリバウンドを防ぐための正しい置き換えダイエット方法を一緒に考えていきましょう。
- 置き換えダイエットでリバウンドする原因
- リバウンドしないために置き換えダイエットで心得ること
- 置き換えダイエットの活用方法
カロリー不足がリバウンドを招く?
置き換えダイエットは1日のうち1〜2食を低カロリーの食品と置き換えるため、一日の必要なカロリーが不足する可能性があります。
カロリーが不足すると、筋肉を分解してアミノ酸からもエネルギーをつくります。
そこで、カロリー制限に耐えられず、食べてしまうと、体脂肪が増えていきます。
結果的に、筋肉を減らして体脂肪を増やすというリバウンドに陥ってしまうということです。
では、一日に必要なカロリーはどのくらいなのでしょう。
日本人の食事摂取基準2020年版によると、18〜29歳では1700〜2300kcal、30〜49歳では1750〜2350kcal、50〜69歳では1650〜2200kcalが1日に必要なエネルギー量です。
自分の目標体重を決め、その目標体重にあったカロリーで摂取することが大切です。
次に目標体重の決め方をみてみましょう。
目標体重の決め方
必要なカロリーを摂取するためには、自分の望ましい体重、つまりBMI(ボディマスインデックス)を知ることが大切です。
BMIとは体格指数の一つで、体重と身長のバランス的数値をいい、18歳以上の総死亡率が最も低い数値範囲を目標とします。
目標とするBMIの範囲(18歳以上)
年齢 | 目標とするBMI(kg/m2) |
18〜49 | 18.5〜24.9 |
50〜64 | 20.0〜24.9 |
65〜74 | 21.5〜24.9 |
75以上 | 21.5〜24.9 |
自分のBMIを知ろう
計算式 BMI=体重(kg)÷身長(m)2
日々、体重を測りながら摂取カロリーを調節して、望ましいBMIに近づけることがリバウンドしないための秘訣です。
リバウンドしないために置き換えダイエットで心得ること
置き換えダイエットいよって、摂取できる食材の品数が減ると、カロリーや栄養素の不足を招きます。
リバウンドを繰り返さないためには必要な栄養を確保しながら、目標体重に見合ったカロリー量を摂取することです。
✓カロリー不足を避ける
✓たんぱく質
✓ビタミン
✓鉄
✓食物繊維
では一つひとつ見ていきましょう。
カロリー不足にならないために
置き換えダイエットたんぱく質を主に配合されていることが多いでしょう。
食品のカロリーは、炭水化物、たんぱく質、脂質の量で決まります。
これらを三大栄養素といいます。
三大栄養素の比率は日本人の摂取基準2020において数値範囲が決められています。
そのため、炭水化物だけ、あるいはたんぱく質だけというような食事はバランスが悪くなるのです。
主食のみだと糖質に偏ることで血糖値が上がりやすくなり、肥満の原因にも。
また、たんぱく質だけだと、カロリー不足になり、筋肉など体の構成成分であるたんぱく質の合成ができません。
たんぱく質を主に含む置き換えダイエットの場合は、主食を追加するなどして通常の食事に近づけることがポイントです。
ダイエットにたんぱく質が必要な理由とは?
日本人の食事摂取基準によると18歳以上女性のたんぱく質必要量は50gです。
体の構成成分となるたんぱく質は20種類のアミノ酸から合成されます。
20種類のアミノ酸のうち、体内では合成できないアミノ酸を必須アミノ酸といい、食品から摂取しなければなりません。
必須アミノ酸は魚や卵、お肉、大豆などの主にたんぱく食品に含まれています。
たんぱく質が不足しますと、必須アミノ酸を体内に取り込むことができないため、筋肉が減少します。
筋肉が減少すると、代謝が下がり、ますますカロリー消費しにくい体になります。
カロリー消費の高い筋肉を維持するためにもいかにたんぱく質が必要であるかがわかりますね。
ビタミン
ビタミンは、13種類あり、エネルギーや脂肪代謝に関わったり、体の構成成分を作ったりするのを助ける働きがあります。
ビタミンが不足すると、摂取した糖質やたんぱく質、脂肪から円滑にエネルギ−を作り出すことができません。
また、ビタミンは体の構成成分であるたんぱく質の代謝にも関わっていていますので、健康維持には欠かせませんね。
ビタミンは野菜や果物、大豆、大豆製品、肉、魚、卵などあらゆる食品に含まれていますので、いろいろな食品を取り入れることが大切です。
鉄
令和元年国民健康栄養調査結果によると、女性の鉄の摂取量は1〜39歳で推奨量を下回っており、不足しやすい栄養素でもあります。
鉄は酸素を全身に運搬する働きがある他、エネルギー産生に関わったり、酵素の構成成分となったりして、健康維持やダイエットには欠かせいない栄養素といえるでしょう。
鉄の必要量
年齢 | 推奨量(㎎/日) 月経なし |
18〜29歳 | 6.5g |
30〜49歳 | 6.5g |
50〜64歳 | 6.5g |
65〜74歳 | 6.0g |
75歳以上 | 6.0g |
置き換えダイエット食品に配合された鉄は吸収されにくいので、ビタミンCやたんぱく質を含む食品と一緒に摂取すると吸収されやすくなります。
置き換えダイエットは食物繊維が不足しやすくなる?
食物繊維は排便を促進させたり、コレステロールや血糖値の改善に関連し、ダイエットに重要な栄養素といえます。
1日の食事のうち1〜2食を置き換えダイエット食品にすると、摂取する食材の品数が減少してしまいます。
食物繊維は特に大豆・大豆製品、野菜、果物などに含まれていますので、これらの食品を積極的に摂取しましょう。
置き換えダイエット食品の活用方法
運動後のたんぱく質補給に
食事の代わりとして以外に、運動後にたんぱく質を摂取することによって、筋たんぱく質の合成効果があると言われています。
筋肉が増えると、代謝が高まり、カロリー消費しやすくなりますので、たんぱく質はダイエットにとって重要な栄養素であることがいえます。
ただし、たんぱく質の摂取量が多いほど筋肉が増えたり、ダイエットに効果があったりするわけではありません。
一日の必要量の範囲で摂取しましょう。
置き換えダイエットは1日に何食食べても良いの?
結論からいいますと、1日に1食までにしたほうが良いでしょう。
食事は主食、主菜、副菜をバランスよく摂ることが基本です。
必要な栄養素を補うにはさまざまな食品を摂取することが必要なため、置き換えダイエットを利用した際、他の食事時間では、通常の食事としてさまざまな食べ物を取り入れましょう。
筆者が担っている高齢者の栄養管理においても、通常の食事が食べられない場合は栄養補助食品を組み合わせた食事で代用することがあります。
重視することは、食べる食材の種類が減ると不足する栄養素がでることです。
また、置き換えダイエット食品の偏った食べ方は、栄養素が過剰になる場合もあります。
栄養素によっては摂りすぎてはいきないものもありますので、過剰症の注意が必要です。
1日に2食以上の置き換えダイエットを行う場合は食品の栄養表示を確認して不足する栄養素を補う必要があります。
さまざまな栄養素が補える食品を組み合わせるのも栄養素が過不足にならない一つの方法でしょう。
まとめ
置き換えダイエットの方法についてまとめました。
リバウンドを防ぐために置き換えダイエットで大切なことは、
- 過度なカロリー制限を避ける
- 自分の理想体重を知り、日々の体重測定によって食べる量を調節する
- 摂取する置き換えダイエット食品で不足する栄養素は他の食事で補う
リバウンドを防ぐためにも、正しい置き換えダイエットの正しい方法について参考にしてくださいね。
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