朝食はパン派という人も多いのではないでしょうか。
パンにはロールパンや、サンドイッチ、トースなど、さまざまな種類があります。
お好みのジャムやバターなどを付けて、飲み物と組み合わせるだけで、お手軽に食べられることから忙しい朝に食されることも多いでしょう。
しかし、朝食の内容で子どもの集中力に影響があることが知られています。
この記事では、子供の集中力をアップさせる朝食のポイントと、管理栄養士が考案した、バランスが良い朝食が簡単に作れる「食パンアレンジレシピ」をまとめました。
子供の脳に良い食事、ぜひ、一緒に考えてみましょう。
集中力アップの秘訣は朝食にある!
子供が学校で学習に集中できるのは、脳のエネルギー源である糖分を食事からとっているからです。
糖分は主にご飯やパンなどの主食に多く含まれていて、脳の栄養分となります。
だからといって、ご飯やパンばかりをたくさん食べて良いということではありません。
ご飯やパンと組み合わせるおかずをバランスよく食べることが大切です。
朝食がご飯とふりかけだけ、あるいは、パンと飲み物だけといった主食に偏った食事は食後の血糖値を急激に上昇させます。
血糖値が急激に上昇すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが多量に分泌されて血糖値が急降下します。
すると、血糖値が異常に低い「低血糖」状態になります。
低血糖状態になりますと、脳のエネルギー源である糖分が十分に行き渡らないため、集中力が切れて、ボーッとしてしまうのです。
パン派はご飯派の子供より集中力が切れやすい?
では、ご飯派とパン派ではどちらが集中力アップには良いのでしょう。
結論から言いますとご飯派よりパン派の方が集中力はアップします。
パン派はご飯派より集中力が切れやすいといわれるのは2つの理由があります。
それはGI値(グリセミック・インデックス)とおかずの品数の違いです。
GI値とは食後の血糖値の上がり方を示す指数で、GI値が低いほど食後の血糖値が穏やかに上昇します。
白米のGI値は88で、食パン(白パン)のGI値は95。
GI値パンの方が食後の血糖値が上がりやすいということになります。
また、パン食よりもご飯の方がおかずの品数が多いことが知られています。
パン食の場合、ジャムやバターをぬって、それと飲み物だけで完結してしまいがちだからです。
一方、ご飯は、味噌汁やお魚、納豆というように一汁二(三)菜が古くから日本食の基本でもあるため、パン食よりおかずの品数が多いことが知られています。
合わせて読みたい記事→【子供の脳の発達と朝食】朝食に良いのはご飯とパン、どっち?
おかずの品数が少ないと不足しやすい栄養素とは?
学校給食では1日に必要な栄養量の約3分の1を基本としていますので、残りの3分の2を朝食と夕食で摂る必要があります。
そのため、品数が少ない朝食では必要な栄養素が不足しやすくなるのです。
パンと飲み物だけという主食に偏った食事で不足しやすい栄養素は、
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
です。
一つひとつお話しましょう。
たんぱく質
主にお肉やお魚、大豆・大豆製品(豆腐、納豆など)、卵などに含まれます。
筋肉や内蔵など身体を構成する材料となりますので、子供の成長にとって欠かせない栄養素とえいます。
ビタミン
食事から摂らなければならないビタミンは13種類あります。
パンや飲み物だけといった糖質に偏った食事は、特にビタミンB1が不足しやすくなります。ビタミンB1はエネルギーや身体をつくるための手助けをしたりする大切な栄養素の一つで、豚肉、豆類、種実などに多く含まれます。
また、野菜や果物などに多く含まれるビタミンCも不足しやくなります。
ミネラル
特に不足しやすいのはカルシウムと鉄です。
カルシウムは骨を構成し、鉄は血液の構成成分になります。
ビタミンと同様、エネルギーや身体をつくるための手助けをし、子供の成長にとっても大切な栄養素の一つです。
カルシウムは乳製品や大豆・大豆製品などに、鉄はお肉やお魚、緑黄色野菜に多く含まれます。
食物繊維
食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。
不溶性食物繊維はごぼうやきのこなどに含まれ、腸の運動を促したり、便のかさを増やして排便を促進したりします。水溶性食物繊維は果物などに含まれ、血糖の上昇を緩やかにしたり、腸内環境を整えたりします。
子供が学校で学習に集中したり、元気よく過ごすためには、朝食におけるおかずの品数がいかに大切かが伺えますね。
子供の集中力アップ、食パンアレンジ簡単レシピ
子供の集中力をアップさせるには、血糖値の急激な上昇を防ぐことが重要です。そのためにおかずの品数を増やす必要があります。
しかし、朝は忙しくて、おかずをいくつも作るのは難しいと思う人も多いでしょう。
そこで、紹介するのが電子レンジのみで作れる「具材のせパン」です。
「具材のせパン」なら、おかずと一緒に食べれるれので、主食に偏らずに、バランスの良い朝食が実現します。
食パンアレンジ ツナのトマト煮のせ
ツナ缶は主にカツオが原材料で、たんぱく質はもちろん、身体の構成成分となるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの脂肪が含まれます。
特にDHAは脳にも多く存在し、子供の神経の発達に良い作用をするといわれています。
電子レンジだけで作れてしまうので、忙しい朝でも手軽に栄養が摂れます。
ジャムいらずで、糖分の節約にもなり、ママのダイエットにも良いですよ。
材料(食パン2枚分)
品名 | 分量 |
ツナ缶 | 60g(小1缶) |
タマネギ | 20g |
コーン(冷凍) | 大さじ1 |
Aトマトケチャップ | 大さじ2 |
Aみりん | 小さじ2 |
Aウスターソース | 小さじ1 |
Aカレー粉 | 少々(お好みで) |
冷凍むき枝豆(トッピング) | 大さじ1 |
パルメザンチーズ | 少々(お好みで) |
作り方
①タマネギはみじん切りにする。
②耐熱用ボールに①を入れ、電子レンジで2〜3分加熱する。
③②にツナ缶とAの調味量を加えてよく混ぜてから、4〜5分加熱する。
④パンに③をのせ、茹でた枝豆を散らす。
⑤お好みでパルメザンチーズをかけていただく。
★ワンポイントアドバイス
枝豆の代わりにパセリやグリンピースでも良いですよ。
タマネギにシャキシャキ感を残したい場合は①を省いてください。
食パンアレンジ ポパイエッグのせ
緑黄色野菜であるほうれん草はビタミンAやカルシウムを多く含みます。
バターの風味とトロ~リ半熟目玉焼きと一緒に食べるから、ほうれん草が嫌いな子でも克服のきっかけになるかもしれませんね。
材料(食パン1枚分)
品名 | 分量 |
ほうれん草 | 40g |
しめじ | 10g |
バター | 小さじ1 |
塩コショウ | 少々 |
卵 | 1ケ |
作り方
①ほうれん草は茹でて、水気を絞り、2センチ長に切る。
②耐熱容器(平皿)にほうれん草、しめじ、バターを入れて、電子レンジで1分加熱する。
(バターが溶ける程度)
③塩コショウを加えて混ぜる。
④真ん中にくぼみを作って卵を割る。
⑤蓋をして(またはサランラップをかける)、白身がかたまるまで電子レンジで2〜3分加熱する。
⑥食パンの上にスライドさせながらのせる。
★ワンポイントアドバイス
ほうれん草は冷凍を使用すると時短できますよ。
食パンアレンジ てりやきキノコチーズトースト
きのこは整腸作用のある食物繊維や、子供の骨の成長に必要なビタミンDなどを含み、栄養的にも優れた食材といえます。
ベーコンやチーズのーモニーでうま味のつまった一品です。
子供の大好きな甘じょっぱいてりやきソース味で食も進むことでしょう。
材料(2人分)
品名 | 分量 |
しめじ | 1/2房 |
ベーコン | 1枚 |
ピザ用チーズ | 大さじ2 |
てりやきソース | 大さじ2 |
バターまたはマーガリン | 小さじ1 |
冷凍オクラスライス | お好みで |
作り方
①ベーコンは1センチ幅の短冊に切る。
②しめじは石づきを除いて、ほぐしておく。
③食パンにバターをぬって、しめじ、ベーコンをのせる。
③上からてりやきソースをかけて、ピザ用チーズをのせる。
④オクラを散らし、オーブントースターで3分焼く。
★てりやきソースの材料(100ml分)
しょうゆ | 大さじ2 |
料理酒 | 大さじ2 |
みりん | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ1 |
鍋に調味料を入れて、少しとろみがつくまで煮詰める。
てりやきソースはさまざまな料理に活用できるので、冷蔵庫に常備しておくと便利ですよ。
まとめ
パン食ではパンと飲み物のみの主食に偏りやすい傾向にありますが、具材のせパンなら、おかずの品数が増えて、栄養価もアップします。
ジャムやバターなどの節約できて、ママのダイエット効果にも期待できそう。
ご紹介したレシピは電子レンジだけで作れますので、忙しい朝にはおすすめです。
ぜひ、試してみてくださいね。
今回使用した食パンは筆者が愛用しているホームベーカリーで焼きました。
ホームベーカリーならパン作りも楽々、焼き立てパンが楽しめますよ。
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