ウラベニホテイシメジ(食)とクサウラベニタケ(毒)の見分け方(長野県)

きのこ狩り
ウラベニホテイシメジ(長野県)

9月25日、朝晩はすっかり涼しくなり、そろそろ夏も終わりそうです。

この日も、「ポルチーニ」を探しに山に入りました。

「ポルチーニ」とは日本では「ヤマドリタケ」や「ヤマドリタケモドキ」と呼びます。

松茸やトリュフと並ぶ高級食材といわれています。

「ポルチーニは、今年はもう採れないかな」と思いながら山道を進むと、

「ウラベニホテイシメジ」らしきキノコを発見しました。

ウラベニホテイシメジ(長野県)

「ウラベニホテイシメジ」とは、少し苦味がありますが、食用として人気のあるキノコです。

しかし、毒キノコの「クサウラベニタケ」と間違いやすく注意も必要です。

採取した「ウラベニホテイシメジ」はホイル焼きや鍋にして美味しくいただきましたが。

さて、「ウラベニホテイシメジ」と見分けたポイントは何でしょうか。

キノコ狩を毎年楽しむ筆者が、ウラベニホテイシメジ(食)とクサウラベニタケ(毒)の見分け方について記します。

ウラベニホテイシメジの特徴

ウラベニホテイシメジの傘表面には次の3つの特徴があります。

  • 灰褐色で表面は繊維状
  • 指で押したような模様がある
  • かすり模様がある
ウラベニホテイシメジ(長野県)

指で押したような模様は、クサウラベニタケには存在しないので、ウラベニホテイシメジと判断できるでしょう。

しかし、指で押したような模様が必ず存在するわけではありません。

下の写真には、指で押したような模様が確認できません。

ウラベニホテイシメジ(長野県)
ウラベニホテイシメジ(長野県)

指で押したような模様が確認できない場合は、かすり模様で判断できます。

2枚の写真にはかすり模様がありますね。

今回は採取したウラベニホテイシメジのほとんどにかすり模様があり、見分けることができました。

ひだ

密で、最初は白っぽいですが、成長すると肉色(ピンク)になります。

写真右下は成長したウラベニホテイシメジです。

ピンク色になっていますね。

ウラベニホテイシメジ(ひだ)
ウラベニホテイシメジ(ひだ)

ウラベニホテイシメジ
ウラベニホテイシメジ(長野県)

ウラベニホテイシメジは、大型キノコの分類で、大きいものは、10〜15センチほどになります。

★柄の特徴

  • 白色で下部が太くまるい
  • 中実で白色
ウラベニホテイシメジ

クサウラベニタケの特徴

日本で最も中毒事例の多いきのこといわれています。

食べると吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が起こります。

誤食しないためにも、クサウラベニタケの特徴をみてみましょう。

★クサウラベニタケの特徴

・灰褐色で平らに開き、波打つこともある
・表面は無毛平滑
・中央に円状の模様ができることがある
・乾いている時と湿っている時で色が変わる
ひだ・成熟すると肉色(ピンク)でやや密
・中空のことが多い
クサウラベニタケ(長野県)
クサウラベニタケ(長野県)

写真は9月4日に撮影した湿っている状態のクサウラベニタケ傘表面です。

ウラベニホテイシメジに比べて色は淡く、表面は平滑です。

クサウラベニタケ(長野県)
クサウラベニタケ(長野県)

上左写真では、傘の中心に円状の模様があります。

柄は、中空でもろいです。写真では分かりにくいですね(😓)。

しかし、中実のものもあるようですので、注意が必要です。

ひだは、白っぽい色からピンク色にかわることがわかります(上右写真)。

ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケの見分けるポイント

ウラベニホテイシメジは、もともと大型のキノコで、柄も太く、全体的にずっしりしています。

クサウラベニタケはウラベニホテイシメジに比べて華奢な印象です。大きさでも見分けられるでしょう。

では、部分的にみてみましょう。

ウラベニホテイシメジの傘表面には指で押したような模様とかすり模様がありますが、クサウラベニタケにはありません。

指で押したような模様やかすり模様は決定的な違いと言って良いです。

しかし、指で押したような模様がないこともあります。

指で押したような模様がない場合は、かすり模様を確認してみましょう。

ひだ

ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケのひだは両方とも成熟すると肉色になり、ほとんど見分けがつきません。

幼菌のひだは白色という点も同じです。

ひだで見分けるのは難しいでしょう。

ウラベニホテイシメジは中実、クサウラベニタケは中空であることが見分けのポイントです。

クサウラベニタケの柄は中空で、細くもろいです。

ウラベニホテイシメジのようなずっしり感はありません

しかし、虫食いの状態だと、見分けが困難になることもあります。

下写真はウラベニホテイシメジの柄に少し空洞が確認できます。

ウラベニホテイシメジ断面(長野県)

柄だけで判断することなく、傘やひだなど全てチェックして慎重に見分けてください。

発生時期(長野県)

ウラベニホテイシメジは秋、クサウラベニタケは夏から秋にかけて発生します。

写真のクサウラベニタケは9月4日、ウラベニホテイシメジは9月25日、10月1日のものです。

ウラベニホテイシメジが発生する頃には、クサウラベニタケをほとんどみることはありませんでした。

ウラベニホテイシメジの方が発生する時期がやや遅い印象です。

しかし、ほぼ同一時期で、混生することもあるので注意が必要です。

まとめ

ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケは、

  1. 指で押したような模様や白いかすり模様があるか
  2. 柄が中実か

この2つの点で見分けることができます。

そして、最も重要なのは、クサウラベニタケの特徴がないことを明確にすることです。

ほんのわずかでも、疑わしい場合は、食べることはやめた方が良いでしょう。



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